基礎は、石の上に載っているだけです。これで地震の時大丈夫?
昔は、一般的にまだコンクリートが普及していなかったし、金物もほとんどなかったのですが、永い日本の風土が作り出した建築技術の知恵が詰まっているのが古民家なのです。社寺建築は全てこの石場建ての造り方です。現在の布基礎を廻して土台をアンカーで固定し柱を立てる工法は戦後普及した工法です。建築基準法ができたのが昭和25年そら約60年がたち建築基準方が何回か変貌を遂げて現在に至りましたが、この基準方を考えたのは、明治維新以後ヨーロッパの建築技術を学んで考え出したものです。日本を伝統工法を研究して考え出されたものではないのです。
私は、足元を完全固定ではなく、石場建ての良さを残す方法で補強を考えた施工方法で補強を今回て提案して、クライアントにご理解をいただき施工に至りました。
日本は、地震のほかに台風が有ります。このような災害は、長い歴史の中で繰り返し体験して、このような工法が生まれたのです。足元が固定されていないから地震の揺れを緩和して、柱・梁は金物を使わず仕口を大工さんが工夫して込栓して仕口は動く様に考えています。また、壁の中には柱を貫通して抜きが入っていてそこには、クサビが沢山は使われ、地震で揺れた時にそのクサビが圧縮を受け復元することで揺れを吸収してさらに、土壁がまた、ガサガサ揺れエネルギーを吸収しそれを超えると土葺き瓦が落ちて本体を守る仕組みになっているのです。その反面足元が固定されていないので大風の時に風で飛ばされないように、屋根が重くしてあるのです。
そして全てのものが再生できるのです。