今日は、耐震改修工事の現場で制震装置の取り付け指導と講習を受けて来ました。今回の制震装置は地震時の揺れのエネルギーを吸収して柱・梁の接合部分の破壊を抑える装置です。この装置自身は日立製でエドガワ木材工業との共同開発した。構造用合板とダンパーを複合したGHハイブリッド制震装置です。最近は非常に多くの制震装置が開発されいますが、この装置は、建物に応じて日立が揺れのシュミレーションを行ない、階高さの1/30の揺れを制御数値化して示してくれるのです。他のメーカーここまでするところは無いのです。
今日初めて装置を取り付けた大工さんは、以外に簡単に取り付けが出来たので、今後もこの装置を使いたいそうです。
この制震装置は、日本の伝統工法の考え方を取り入れた考え方です。「柔よく剛を制す」という言葉が有りますよね!まさにこの言葉にぴったりの装置です。
世界最大の振動実験場Eディフェンスの振動実験です。(下記は実験動画です。)
現在の耐震補強金物を装備した新築の三階建て住宅と以前の基準の三階建ての住宅の実験です。ところが倒れてはいけない側の住宅が完全に倒壊してしまいました。ガチガチに硬い建物より、揺れを吸収した方が、倒れないのです。そんなことは、昔の1000年以上前の大工職人は知っていたのです。明治以後イギリスから来た建築家コンドル等による、西欧建築の流れから生まれた構造基準なのです。これは、昭和25年に施工された筋交いを壁に入れた壁量による構造基準なのです。日本の文化は自然の力に逆らわない「共生」と言う考え方が有るのに、どこかにこの考え方を忘れてきたように思えるのです。
愛知県では、この制震装置を取りつけても、耐震補強の壁強さは考慮されても1/30以下の揺れを抑えてもその制御を考慮をしてもらえないのです。